住宅 浜松 「ことの葉」0611-3

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オレの柿

 寺の裏庭に甘柿が数本あった。
 秋も深まったころ、たわわに実った柿の下で和尚はニコニコしながら私たち兄弟に、

「ヒデ坊(兄)は長男だから富有柿。タケ坊(私)は次男だから次郎柿だ」
と、言いながら、よく熟れた柿をもいでくれた。

 その時に食べた柿の味は忘れたが「次郎柿はオレの柿だ」と、思ったことが強く印象に残っている。

つづく
「月刊アズ」2006年11月号


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